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【実質損益資金を見て!】「流動比率」が高いから、うちの会社は安全という勘違い②

【実質損益資金を見て!】「流動比率」が高いから、うちの会社は安全という勘違い②

「流動比率が高いから、弊社の経営は安全だろう。」
「儲かっているのでどんどん設備投資をやろう!」

などとお考えの経営者の方は、大変な思い違いをしているので、ぜひこの記事をお読みください。

こんにちは。古田土会計・代表社員の古田圡満です。

本コラムでは、中小企業の社長の皆さまが勘違いしやすい事例をまとめた書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』から、ポイントをかいつまんで解説していきます。

今回のテーマは、引き続き「『流動比率』が高いから、うちの会社は安全という勘違い」です。前回は以下の2点を主に解説しました。

◯前回のまとめ
・流動比率が高くても流動資産の中身によっては倒産する
・重要なのは「自己資本比率の高さ」と「現預金の多さ」

流動比率が高くても、流動資産の中身次第で、例えば、売上債権や棚卸資産が異常に多いといった場合には、会社は倒産する可能性があります。また自己資本比率が低かったり、現預金が少なかったりする場合も、その会社は危険です。

今回は会社の安全性を評価するうえでの流動比率に代わる指標として、「実質損益資金」を紹介します。財務に関する誤った判断で会社を潰さないためにも、中小企業の経営者の方は以下の内容をぜひ参考にしてください。

▽動画でも解説しています

儲かっていても「実質損益資金」がマイナスだと危険

図:NEW資金別貸借対照表の一部

現預金 資金運用 資金調達
320.0 損益資金の部
売上原価 XXX 売上高 XXX
販売管理費 XXX 営業外収益 XXX
営業外費用 XXX 特別利益 XXX
特別損失等 XXX 繰越損益等 XXX
XXX XXX
▲160.0 売上仕入資金の部
受取手形—裏書手形 XXX 支払手形 XXX
売掛金等 XXX 買掛金等 XXX
XXX XXX
160.0 継続損益資金
▲220.0 固定資金の部
棚卸資産 220.0
▲60.0 実質損益資金

※以下の説明に必要な部分だけ具体的な数字を記入(単位:百万円)

上記は資金別貸借対照表を改良した「NEW資金別貸借対照表」の一部です。一番上に「損益資金」、その下に「売上仕入資金」と「固定資金(棚卸資産)」が来ています。

これらを足したものが「実質損益資金」で、運転資金と同義です。いくら損益資金で儲けたとしても、売上仕入資金と棚卸資産のマイナスが大きければ、運転資金もマイナスになる可能性があります。

この会社の場合は、損益資金は3億2千万円のプラスだが、売上仕入資金で1億6千万円のマイナスを出しているので、1億6千万円しか残りません。さらに棚卸資産が2億2千万円あるわけなので、実質の損益資金が6千万円のマイナスになっています。

つまり表面上は、3億2千万円儲けているように見えて、実質的には6千万円の赤字が出ているということです。

この会社の赤字には、売上仕入資金のマイナス、言い換えると入金条件と支払い条件のサイト負けが大きく関係しています。またこの会社が、事業構造として棚卸資産を異常に多く持っていることも見逃せない要因です。

◯仕入資金や棚卸資産が多いと実質は赤字

よくテレビなんかでも、ディスカウントショップやその他日用雑貨の販売会社が、ものすごく大きな店舗を持っていて「とても儲かっています」というのをやっています。しかし、そうした会社を資金別貸借対照表で分析したら、ひょっとしたら危ない会社である可能性も考えられるわけです。

そのような会社は、1年間にひとつも売れないような棚卸資産をたくさん持っているので、固定資金の部のマイナスは大きいと想定されます。

会計的にいうと、棚卸資産は1、2年売れなくても会計上は原価のままで評価するので、赤字になりません。しかし、資金別貸借対照表で分析すると、マイナスとしてカウントされます。

いくら儲かっていても、売上と仕入れのサイト負けが多かったり
棚卸資産の金額が多いと、資金会計で見ると実質的には赤字なのです。

◯会社が回るかどうかは「実質損益資金」で見る

P/Lだけでなく、B/Sからも見ないとその会社の本当の実力は分かりません。とくに、その会社が回るような資金構造になっているかどうかが見えるのは、「実質損益資金」です。

P/Lだけ見ると表面上はものすごく儲かっているように見えても、実質損益資金はマイナスの可能性があります。銀行は儲かっているからといって積極的にお金を貸してきます。そうするとその会社はどんどん借金が膨らむのです。

時価会計ではなく、すべて取得原価で評価するので、その会社が本当は資金的に危ないのに、儲かっているように錯覚します。ところが資金別貸借対照表で見ると、実態がものすごくよく見えてきます。

大事なのは「実質損益資金」です。いくら損益資金で儲けたと思っても、売上仕入資金で大きなサイト負けを起こしたり、棚卸資産で吸い込まれたりしたら、会社は赤字になってしまいます。

・儲かっていると思って土地・建物をたくさん買うと失敗する

実質損益資金が少ない会社が、儲かっているからといって土地・建物をいっぱい買うとますます危うい状況に陥ります。上述したような日用品雑貨店が、大きなお店を出しておいて、在庫のほかにたくさん土地を買って建物を建てるなどのケースが悪い事例です。そうした安易な設備投資によって、さらにお金が吸い込まれていきます。

たしかに設備投資をすればP/L上は儲かります。家賃を払わなくて済み、土地は経費にならず、建物も耐用年数が2、30年なのでほとんど経費になりません。そのため、借金はするものの、見かけ上は儲かっているように思えてしまいます。

儲かっているように見えるから、土地・建物を買って、日用雑貨の在庫を大量に置いて、そうすればさらに儲かっているように錯覚します。そして資金的には、ますます危うくなっていくわけです。

実質損益資金がマイナスだと銀行次第で倒産する

実質損益資金がマイナスの場合、それを何で賄っているかというと長期借入金です。実質損益資金がマイナス、資本金でも足りない、さらに長期的な固定資産・有形固定資産、その他色々な投資をすると、正味の損益資金は大きなマイナスになります。

それを長期借入金で賄うわけです。そういう会社がものすごく多く見られます。長期借入金で無理やり安定資金をプラスにしているようなものなのです。

さらに長期借入金だけではプラスにできない場合は、残りを短期借入金で賄うことになります。現預金より短期借入金のほうが多いという会社も珍しくありません。

現預金以上に短期借入金があるということは、銀行が短期借入金を貸さないと言ってきたら、その会社は潰れるということです。

◯実質損益資金は「実質的な儲け」を示す

「NEW資金別貸借対照表」で見ると、表面上は損益資金で儲かっているように思えても、売上債権・棚卸資産を加味するとマイナスになるケースがあります。つまり実質損益資金は、「実質的にどれだけ儲かっているのか」を示す指標です。

実質損益資金で見て十分な儲けがあってはじめて、有形固定資産に投資できます。

・実質損益資金が少ない状態での設備投資は厳禁

実質損益資金が少ない状態では、いくら儲かっても売上債権と棚卸資産にお金が消えていきます。そのため、実質損益資金が少ない会社は、土地・建物を買っては絶対にいけません。

会社が大きななればなるほど、売上債権と棚卸資産も増えていくので、いくら儲かっても実質損益資金は増えないのです。実質損益資金が増えない会社が土地・建物をどんどん買って、それを借金で賄うということを続ければ、やがてはお金が回らなくなります。

借金は返済しなくてはいけないわけです。しかし、その返済原資は何かというと、基本的には損益資金だといえます。ところが損益資金は売上仕入資金や棚卸資産で吸い込まれるので、借入金の返済をする余裕がなくなる可能性があるのです。

そうすると次は長期借入金を返すために、また借金をしなければなりません。銀行はその状況を知っているので、短期でしか貸してくれなくなります。返済のための返済、これを繰り返すことでますます返済額が増えて資金が回らなくなります。

安定資金のマイナスも大きくなっていき、やがて業績が悪くなると資金が完全に回らなくなって会社は倒産です。これは財務の基本的な構成内容を知らないがゆえのミスだといえるでしょう。

・正しいお金の使い方、会社を倒産させない方法

私たちは損益資金がいくら儲かっていても、実質損益資金が少ない会社には「土地・建物は買わないでください」「自社ビルなんかは買わないでください」と言っています。

実質損益資金が少ない状態だと、売り上げが増えれば増えるほど、返済額が膨らんでいきます。よって損益資金が増えても、土地・建物を自社で買うことは絶対にご法度です。直接的に利益を生まない部門にお金を投入すると返済できなくなくなって、いずれは倒産してしまいます。

実質損益資金が少ないなら無駄な設備投資はしない。それが正しいお金の使い方で、会社を倒産させない方法です。

◯儲け方がうまくても財務を知らないと会社は潰れる

儲け方はうまくても財務を知らないために会社が潰れるというケースは結構あります。中小企業の社長さんを見ていると、皆さん商売熱心で社員想いで、商品開発力や営業力も大変優秀です。

しかし、財務に弱いがために会社をおかしくしてしまいます。実質的にどれだけ儲かっているかの判断を誤り、変な設備投資をしてしまうのです。

・【相談無料】財務のことはプロに聞け

財務のことはプロに聞くのが賢明です。我々のように財務をわかっているところに聞いてもらえれば、適切なアドバイスをいたします。

私のところにも毎週色々な相談が来ています。相談料は無料です。財務についてわからないことがあれば、ぜひご連絡ください。

まとめ:設備投資には要注意!お金の使い方を誤らないこと

経営者の多くは、設備投資で失敗して倒産します。我々はそうならないように、適切なお金の使い方について色々なアドバイスをしますが、そうしたアドバイスにあまり価値を見出さない経営者が多いのが実情です。

会社を潰したくなければ、勉強が必要です。経営者として勉強すればするほど自分に足りないものがわかります。

なお、今回ご紹介したNEW資金別貸借対照表も含め、会社の経営に役立つ数字を可視化した資料として、当社が毎月お客様にご提供している月次決算書サンプルをプレゼントとしてご用意いたしました。

無料でダウンロードいただけますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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